唐津粉引盃

中里 隆作

 共箱。2000年12月の東京美術倶楽部正札会にて購入。憧れの中里隆さんは桃山古唐津を研究し、見事に蘇らせた人間国宝中里無庵の五男だっそうです。彼の唐津は「唐津らしくない唐津」と呼ばれ、独特な味を醸し出しています。「楽しみはクラシック音楽と、うまいものと、毎晩の酒、という仙人風の陶芸家(日本やきものの旅 佐藤隆介著)」作陶中はバロック音楽をかけ、料理の腕も超一流。そんな人となりが、盃からも漂ってきます。

 「器は料理を盛って完成する」との氏の言葉は重いです。薄作りで軽く、口当たり素直で飲みやすい。

<追記>

 これと同型の窯もの(中里隆のお弟子さん達がつくっている)のぐいのみが、隆太窯(中里隆主宰の窯)に行くと販売されているようです。一客1500円程度というのは、お値打ちだと思います。先に知っていたら・・・

 (隆太窯 佐賀県唐津市見借433-1 tel:0955-74-3503)