萩焼茶碗

十代三輪休雪(休和)作

 共箱。毛利氏の御用窯であった名門三輪家の10代目三輪休雪(のちに隠居して休和と号す)は萩焼中興の祖といわれる名工です。特に後年彼があみだした淡雪のような白色の藁灰釉「休雪白」は、現代萩焼の代表のようになっています。

 珪石を多く含んだ荒めの土が使用されている割にはかなりの薄さで挽きあげられており、さすがです。そのせいか手取りはとても軽く仕上がっています。高めの竹節高台、萩ならではのやわらかく心地良い肌合い、そして美しい枇杷色。おおらかで優美、包容力のある実に優しい茶碗です。動きのある釉(化粧土)がけの特徴が出ているのも嬉しいです。茶碗は無印で、昭和20年前後の作品らしいですが、既に休和翁ならではの茶碗になっていると思います。