古瀬戸山(小)皿

平安〜鎌倉時代

 瀬戸古窯で大量に発掘される山皿。もう少し深ければ「山盃」となるのだろうが・・・店の奥の棚に目立たなく置かれていて、持っていったら「どこにありました?」なんて聞かれてしまうほどであった。左の焼き上がりの白い方は天場だが、見込みにふりものをだいぶかぶっている。初窯の時は、天井が崩れてよくこうなってしまうという話をある陶芸家から聞いたことがある。右のものはこの時代典型的な土質で、おそらく左の物より少し時代が下り鎌倉あたりらしい。天に置かれた物でないのは残念だが、糸切り底が豪快で好ましい。この手は水に濡らすと、風情が出てよい。向付として塩辛などを盛ったりしている。ふりものも河原の石のようで景色になる。サワガニの唐揚を盛るとなかなか絵になった。