古唐津皮鯨平盃

江戸時代初期

 一位の樹山窯。口縁にぐるりと鉄釉を掛けた手を皮鯨と呼ぶが、これは後世に茶人が鯨の皮と白い身(いわゆる「さらしくじら」ですな)に見立てて呼ぶようになったと言われている。鯨飲に通じるからか、特に皮鯨の酒盃(立ちぐいのみ)は数が極端に少ない上、人気がある。

 このような平型の小皿は多く値段が安い(割れていれば尚のこと)が、冴えた釉色、暴れた見込みと、踊るような轆轤目、力強い口縁の鉄釉は、酒盃に昇格させたくなる。重ね焼いた皮鯨のひっつきが二カ所ある。