絵高麗草花文平盃(磁州窯)

金〜元時代

 いにしえの茶人はこの手の焼き物を高麗(朝鮮半島)産と思ったようですが、現在では中国の磁州窯の産であることがわかっています。白化粧して透明釉をかける技法はたしかに李朝刷毛目、粉引と同様の技法で、おそらくルーツなのでしょう。中国陶磁にしてはやや厚めの成型で、あたたかみがあるのも日本人に受け入れられた理由なのでしょう。土味はカオリンに富んでいるように見えます。中里太郎右衛門さんが「山瀬土はねっとりとして、焼色がビスケット色で、あたかも宋の磁州窯系の土をおもわせる(日本陶磁大系13(平凡社)」と書いておられますが、たしかに似ています。