象嵌茶碗

 石山哲也作

 共箱。石山さんは信楽で作陶する若手の作家です。作風は幅広く、穴窯の焼締からこのような独創的な茶碗、さらにはオブジェまで焼かれます。見込みは溶岩のような黒色で、一枚だけ、貝が貼りつけてあります。光悦茶碗のようなまるまるとした腰、渋い落ち着きのある肌合いのせいか、手に取ると意外にも大変静謐な印象を受けます。大変に品格を感じさせる茶碗です。正面は「日」ですが、裏面は「月」となっています。朝晩で正面を使い分けても面白いかも知れません。

石山哲也ホームページ