古伊万里型紙摺平盃 江戸時代

 江戸期の型紙摺の平盃。あるいは、碗物の蓋なのか。稚拙にも思えるような型紙摺絵は、どこか優しく、懐かしいような感じが魅力的だ。明治期のものと全然違う。蝶と、草むらでも描いているのだろうか。余白の多い絵付けだが、それが蝶の自由な雰囲気を感じさせている。飄々と、好きなところに飛んでいって楽しんでいる・・・この蝶が語ってくれた真実は、ある意味僕を救ってくれた。

 とろっとした感じが何とも言えない、柔らかい磁器だ。実に素直に酒を受け入れてくれる。