京の街並遙か

蹴上〜大文字山〜銀閣寺〜法然院〜安楽寺〜鹿ヶ谷〜俊寛碑〜関空航空安全施設〜藤森神社

 見晴らしの良い職場のテラスからは、大文字山(東大文字)を正面にのぞむことが出来ます。あそこから見えるであろう京都の全景は、どんなものなのだろう・・・京都での生活は、まずあの山頂に立つこと、そこからはじめよう・・・そんな気持ちから、GWの一日をハイキングで楽しむことにしました。

 インターネットで検索すると、京都を囲む山には、京都一周トレイルコースなど、様々なハイキングコースが用意されているようです。そこで、蹴上から日向(ひむかい)大神宮を経て大文字山山頂に至るコースを歩いてみることに決定。朝8時頃に家を出発すれば、お昼を山頂で迎えることが出来そうです。

 三条通りを歩き、都ホテルを過ぎ、蹴上に到着。ここには浄水場があって、ツツジが見事です。GWの時期は、毎年無料で開放されます。

 コンビニでサンドイッチを買い、日向大神宮へ。坂を登っていくと、もうかなり山に入ってきたような感じ。シャガが咲き乱れていました。ここから、いよいよ山道に入っていきます。連休まっただ中でも、静かで、周りに人は誰もいません。

 結構な急斜面で、一気に高度を稼ぎます。森の中の小道を、メジロ、エナガ、シジュカラ、コゲラ、ヤマガラ、ヤブサメ、カケス・・・様々な鳥の声を聞きながらどんどん進んでいくと、ようやく開けたところに出ました。

 

 おや・・・?ひょっとして、ここが山頂?・・・たしかに、三角点もありました。期待はずれの乏しい眺望にがっかりしていると、休んでいたおじさんが「もう少し先行って「大文字」のところに出れば、いい眺めだよ」と教えてくれました。

 しばらくいくと・・・いやぁ・・・すごいすごい!! これぞ、「あぁ、絶景かな絶景かな」。 ここで食べたお昼のサンドイッチの美味しかったこと・・・しかし、こうして一望すると、京都という街が山に囲まれた要塞のように思えてきます。

 

 五山送り火(大文字焼き)の時に点火する燭台です。ここに火を付けると、「大」の字が浮かび上がるんですね・・・祠では、銀閣寺から登ってきた人達が、みんな休んでいます。銀閣寺からアプローチするのが時間的に一番早いので、このコースを利用する人が多いのです。

 

 眺望をたっぷり楽しんでから、山を下り銀閣寺に来ると、ものすごい人混み。GW中ですから、仕方ないですよね。少し歩いて、法然院に寄りました。この季節は藤がとっても綺麗でした・・・観光客も、それほどではありません。

 また少し歩くと、安楽寺です。一般公開は春と秋に限られているそうで、入ってみました。鎌倉時代初め浄土宗開祖法然の弟子、住蓮房・安楽房が「鹿ヶ谷草庵」を結んだのがこの寺の始まりです。この寺には悲しい逸話があります。建永元年(1206)、後鳥羽上皇の寵愛を受けていた松虫姫・鈴虫姫は日々の贅沢な暮らしに疑問を感じ、上皇の留守中に暇をもらい出家してしまいます。その二人の出家には住蓮房・安楽房が立ち会い、剃髪。無断で二人が出家してしまったことを知り上皇は激怒し、住蓮房・安楽房を打ち首に、師法然も流罪とし、専修念仏を弾圧したのでした(建永の法難)。法然はこの二人の弟子の死を大変悲しみ、配流地から草庵を復興するように命じ「住蓮山安楽寺」と名づけたといわれています。・・・この寺には、松虫姫・鈴虫姫の墓もあります。ツツジが大変美しく咲き乱れていました・・・

 安楽寺でゆっくりしているうちに、なんだかまた山に入りたくなってしまいました。ここは鹿ヶ谷。こうなったら行くしかありません。登り口に、温泉を発見。でもここは、宿泊しないと入れない・・・のかな?・・・まぁ、まだ昼間だし、温泉というのもねぇ。結構急な細い道を行くと、やがて前方に俊寛の碑が見えてきました。

 分岐に到着し、道標を見てしばし思案。また大文字山頂に行くのもなんなので、滋賀の方(三井寺方面)へ下りていくことに。誰もいない森の中の小道をひたすら進むこと30分・・・林道に出て、しばらく行くと、この眺望!!眼下に広がるのは憧れの琵琶湖です!!鮒寿司!と一瞬思ってしまいました(^_^;) いつか、食べてやるぞ〜!!

 分岐の説明を読むと、三井寺に下りるとお金をとられるというので(セコイ!)、今日は藤森神社方面へ下りることにしました。境内で水をいただいて、一息。少し歩いて山科へ出て、京阪電車に乗って帰りました。いやぁ、よく歩いたな・・・ビールの美味かったこと!